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けれど現時点で、私の高原先輩への思いは、その程度のものだと思う。
いい人だとは思うし、人気があるのも理解できる。
普通の人間にはなかなかできない、素直に感情を表現することができる貴重な人だと思う。
底抜けに明るい性格は、見ていて羨ましいほどだ。
しかしまだ、恋とは言い難い。
私があの場で交際を申し込んだことには、もう一つ意味がある。
それが、陽菜のため、だ。
想像以上に嫉妬深そうな柊先輩が、まだ高原先輩を警戒しているのは明らかだった。
私からすれば、高原先輩の気持ちはもう随分落ち着き、きちんと整理されて、これ以上陽菜に余計なちょっかいをかけるようなことはしないように見えた。
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