エピローグからプロローグへ (side:凛)

6/7
5095人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
  そう言って、にっこり、笑みを浮かべた。 見つめた先、高原先輩は、笑っていたときと同じように口を大きく開けたまま、フリーズしている。 「は?」 「えっ?」 一拍遅れて、柊先輩と陽菜が素っ頓狂な声をあげても、高原先輩は固まったまま。 「いかがでしょう、高原先輩」 その呼びかけに、ゆっくりと表情が変わっていく。 ごくん、喉が鳴るのが聞こえた気がした。 「……マジ、で?」 「ええ」 微笑んだ私に、高原先輩はもう一度問い掛ける。 「ホントに、いいの?」 「ええ」 間髪入れずに頷いた。 私の目をまっすぐ見たままの高原先輩は、膝に手を置いて、体全体を使って頭を下げた。 .
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!