5095人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
そう言って、にっこり、笑みを浮かべた。
見つめた先、高原先輩は、笑っていたときと同じように口を大きく開けたまま、フリーズしている。
「は?」
「えっ?」
一拍遅れて、柊先輩と陽菜が素っ頓狂な声をあげても、高原先輩は固まったまま。
「いかがでしょう、高原先輩」
その呼びかけに、ゆっくりと表情が変わっていく。
ごくん、喉が鳴るのが聞こえた気がした。
「……マジ、で?」
「ええ」
微笑んだ私に、高原先輩はもう一度問い掛ける。
「ホントに、いいの?」
「ええ」
間髪入れずに頷いた。
私の目をまっすぐ見たままの高原先輩は、膝に手を置いて、体全体を使って頭を下げた。
.
最初のコメントを投稿しよう!