触覚のキオク

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友達を待ち合わせをしているという彼。 その間、話し相手になってと私たち二人に話しかけてきた。 しばらくするとその友人からメールがあり、遅くなりそうとのこと。 私たちはすぐ近くにあるという彼の家で一緒に待つ事にした。 まだ早い時間だったことと、彼女と二人だという事。 それと少しの興味。 3人で楽しく飲んでいると、いつの間にか酔ってきた彼女は彼にしなだれかかるようになっている。 酔ってきたのか、 酔ったふりなのか、 来ると言っていた友達も全く来る様子がない。 しかもすでに終電は終わっている。 目の前ではキスでもしそうな勢いの彼女。 私はそんな彼女に苦笑いしながらも彼に 「先に寝るね」と伝えてロフトに上がった。 3畳ほどあるそのロフトを彼は寝室として使っているようだった。 少し蒸し暑いぐらいのこの場所で、小さな窓を開け空気を入れる。 あーあ、やっぱついてくるんじゃなかったな。 これ、始まっちゃう感じだよね?きっと…… そう思いながらブランケットをかけて軽く目を閉じた。
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