聴覚のキオク

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彼女とはいわゆる合コンで知り合った。 本来ならそんな集まりには全く興味のないオレ。 普段は忙しくて彼女がいてもデートもままならない。 たまたま今日は時間ができて、友人と飲もうと連絡を取れば『代わりに合コン行って』そんな返信だったと思う。 そこで彼女に出会った――― 愛想がナイ。 昔から良く言われていた。 むやみやたらと愛想を振りまくぐらいなら、ジックリ気の合う仲間と話をしたい。 だから、合コンなんて場にオレが参加するのはおかしい。 でもその日は飲みたいという欲求がオレを合コンの参加へといざなった。 少し遅れて合コンの場所に姿を現したオレに愛想よく対応してくれた彼女。 見た目は清楚な感じ。 声が異常にかわいい。 それが彼女の第一印象。 自己紹介をしてみんなで何度目かわからない乾杯をする。 最初から来ていたメンバーはすでに仲良くなっていた。そんな中で彼女はオレにも話しかけてくれた。 とりあえず飲めればイイ。 そう思っていただけなのに、彼女の声が心地よくて相槌を打ちながら飲み進めていった。
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