聴覚のキオク

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1次会の間、ずっと彼女と話をしていた。 友達と飲めなかったのは残念だけど、彼女とはそれを埋めるに余りある時間が過ごせた。 こういう場で好意を前面に出してない状態でメアドを交換するなんてことがあるはずないと思っていた。 彼女からもそう言ったものは感じなかった。それに次の約束をしたわけでもない。 それなのに、なぜこの日は彼女とメアドを交換したのか――― 今思えば、 もう一度あの声が聴きたかったから かもしれない。      ***** メアドを交換した後から、また忙しい日々が始まった。 数日間は気にしていたかもしれない。 けれどそれは日が経つごと薄れていった。
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