聴覚のキオク

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たぶん、合コンで知り合ってオレからメールするのなんて初。 初って言うか、そんなコトさえ億劫だったカラ。 そんな俺の気持ちをあざ笑うかのように研究が佳境に入る。 家にさえ帰れない日々。 当然そんな状態では彼女にも連絡を取る事さえできない。 珍しくオレはイラ立っていた。 今までは研究さえできればそれで満足してた。 それなのに、今は? 彼女に最後にメールを送ったのはイツだったか。 あの声が聞きたい。 直接この耳に。 研究のめどが立ち、一時休息ができると知るや否やオレは彼女にメールした。 ________________ 研究がひと段落ついたので飲みに行こう 明日どう? ________________ そんな簡単なメール。 けれどすぐに彼女から返信があり、明日彼女と再会することができる。 無駄に盛り上がる気持ち。 期待したらダメなのに 今までの彼女だってすべてオレから離れていった。 『研究と私どっちが大事なの?』 比べるモノじゃないだろう? でも歴代の彼女たちはソウ言ってオレの前から立ち去っていった。
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