ナルシスト

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他人が自分をどう思っているかを気にするということは、けっして他人そのものに対する関心ではない。 あくまでも他者の中にある自己のイメージに対する関心である。 したがって、当然他人への思いやりなどというものはひとかけらもない。 あるのは自分の自尊心を高めるための手段としての他人だけである。 他人の気持ちをふみにじることには何も感じない、 というよりも自分がどれだけ他人の気持ちをふみにじったかに気づかない。 ナルシストとはこのように他人を愛せない人なのである。同じようにいかなる対象への愛をも持てない人である。 ナルシシズム故に自らの本質が疎外されている人は、仕事にも遊びにも関心を持つことができない。
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