拝啓、隣に居た君へ。

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君との思い出が沢山詰まったあの部屋は 今でも空き部屋のままなのかな。 あのビルの前を通る時 もう未練は全く無いはずなのに 無意識に あの部屋を探してしまう自分がいる。 1年間という期間は 10代だった頃の私には とても長くて濃い時間でした。 君と別れて二年しか経っていないのに 20代になった今では こうも見てる景色が 違うもんなんだね。 それでも あの日々に後悔はしてないよ。 君と過ごした貴重な時間 そのおかげで、今の私がここに居るから。 きっと今、君に会っても 「変わらないね」 って笑われるだろうけど お互い気付かないだけで あの頃とは違ってる。 言葉では上手く表現出来ないけど 少なくとも、もうあの頃のようには 笑えないと思うんだ。 お互い未熟すぎたんだよね。 だからこそ 純粋で 温かくて 刺激的で 何の濁りも無い笑顔で笑い合えた。 君が居れば他には何も要らない 本気でそう思えた。 その事実があるだけで、今の私は前よりも強くなれる。 もっと君の事をちゃんと 理解してあげられるような そんな大人な女性だったら 良かったのかな。
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