第1章 浮黒ー1.入部

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「何がだ? 一応部活一覧は見たがそんなにたいそうなものか… 並々に盛えて珍しい部活があるわけでもない。他の学校と相違があるとは思えんが」 「いやいや、別段部活の内容に目を向けてるのじゃなくて部活の入部方式さ。 どうやら入部申し込みは2回行われるらしい」 「何が目的かさっぱり見当がつかん」 俺は箸で弁当の空豆を転がして弄びながら会話に臨む。 「それは僕もまだ知らない。 これから情報集めだ」 「また例の…」 「そうそう『行動は最大の宝庫』さ。 僕はこの信条を貫くよ。行動しなければ何も得やしないからね」 そう言うとその信条を以て教室を出て行く。 俺は最後の一口のご飯を平らげると弁当箱を片付けて机に突っ伏す。 青いな… 今日は晴天、俺の気持ちはいつも通りまっさらな白だ。
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