第1章 浮黒ー1.入部

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さて4月の中旬に差し掛かり、あんだけ校門を華やかに色付けてた桜は全く散ってしまい、今日は良介の言っていた1回目の部活入部の申し込み日だ。 もちろん俺は何も入るつもりがないから無縁ということだ。 申し込みは朝に行い、昼休み現在教室では「何に入った?」「一緒に全国目指そうぜ」など、部活入部というイベントに高揚する者で満ちている。 周りと対比するとただの仏頂面を浮かべている様にしか見えないかもしれないが、別に関係が無い以上こちらは協調はしなくていいだろう。 ここでの関係というのは部活,友達という関係だ。 弁当をひろげ一口ご飯を食べるといつもの如く良介が俺の前の席を陣取って持ってきたパンをかじり出した。 何を考えているのか、いや今回は明確だ。 入部の話を持ちかけるだろう。 目元に浮かぶ笑みがそれを物語る。
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