上京

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東京は凄い。 その雰囲気に圧倒されてしまった。 電車が5分以内に次々と来ることや街に大きなテレビがあったり、行き交う人は皆早足で歩いていたり。 田舎者は人にぶつかりながら、東京の中心へとやってきた。 貸し出されたホテルも綺麗で、1人で住むのには勿体無い。 「…えっと…これはどうしたらいんだべか?」 美人なお姉さんに声を掛けるとご案内しますといわれノコノコ着いていく。 「では此方にお掛けになってお待ちください」 その鉄壁の笑顔に二度三度と頷いてしまう。 緊張している、と小刻みに震える手をみて冷静に思っていた。 「遅れました」 座っている所に1人の男性が一礼して私の元に来た。 …うっわ、凄く美人だ。 なんだこれ、これが東京なのか? 名刺交換をし、その人の名前が結城唯だと知る。 まるで女の子みたいな名前だなあと見惚れてしまった。
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