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昔昔、とある世界があった。
その世界には魔王が存在した。
魔王は強く恐ろしく、悪逆非道で、残虐の限りをつくした。
そんな魔王に人々は逆らえず、しかし不満は次第に募っていった。
誰かが魔王を倒さなければ、この世界に平和は訪れない。
けれどいったい誰があの魔王を倒せるというのか？
村々から屈強な若者が集められ、次々と魔王に挑んでいった。
しかし誰も魔王を倒すことはできなかった。
次第に人々は魔王からの仕返しを恐れ、誰も手出しをしなくなった。
そこで平和を諦められない人々は考えた。
私たちとは違う、別の世界から勇者を連れてこよう！
それはいい考えだと人々は口ぐちに言い合い、とある世界から一人の勇者をつかみ上げた。
勇者は勇敢で、でも人一倍怖がりで、優しさと温かさの強さを知っていた。
勇者は一人の仲間と共に魔王退治に向かった。
そこで勇者は見事魔王を倒し、世界を救った。
人々は勇者を英雄と称え、祭り上げた。
そして世界に平和が戻ったのであった。
めでたしめでたし。
……本当に？
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