残念な暇人の悟り

No.001 ﾋﾟﾝｸﾞﾄﾞﾗﾑってみる

「俺たちはきっと、何者にもなれない」

4月12日

人は常に、何かになりたいと願っている。

ｱｲﾂと友達になりたい。
あの人と恋人になりたい。
あの学校の生徒になりたい。
あの仕事の職人になりたい。
かっこいい、かわいい人になりたい。
幸せになりたい。
etc.etc.・・・

確かに、人は何かになりたがる。俺だってそうだ。

ｱﾙﾊﾞｲﾀｰになりたい。
できれば恋人になりたい。
たくさんの人と友達になりたい。
幸せになりたい。
etc.etc.・・・

何かになりたいと願わない人など、どこにもいないだろう。

だが、“なりたいものになっている”その人自身には、人はなれない。

よく親が子供を叱る時、「そんなにその子が羨ましいなら、その子の家の子になればいい」と言うだろう？

もし本当にその子の家の子になったとしても、その子自身にはなれない。その子と同じように自分がなるとは限らないのだ。

お金持ちの家に生まれたいと願うのと、お金持ちの家に生まれた子供になりたいと願うのは別ものなのだ。

だからこそ、人は人を羨ましがる。その人になりたいと願うのだ。