第零章 -無垢な華-

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    『じゃあ行こ?  本当に近くなの!』 小さな手が女性の手を引く 少し大きな優しい手 毎晩のように 少女を包んだ温かい手 道を逸れ しばらく歩くと 少し開けた場所に出た そこには 廃城があった 何百年もの間 放置されていたのか それとも 忘れさられたのか しかし それでも 存在感のあるモノだった 『ほら、こっちこっち』 女性は少女を追いかけ 崩れかけた門を通り 更に奥へ進む 壁や天井が所々崩れていて 少々不安を煽る場所だった だが そんなことには 気にもとめず 軽い足取りで少女は進む        
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