暗闇の青年

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青年の世界は暗闇だ。 光はわかれど、物を見ることは出来ない。 触れる物の形は想像することは容易かった。 触れないものの形は鳥達に聞けばわかる。 だが、一つだけ問題がある。 それは《色》だ。 鳥は色がわからない。 犬は色がわからない。 猫は色がわからない。 彼は色を聞く事が出来ない。 彼は色を覚えてない。 日に日に色褪せる《見えていた世界》。 気付けば青年にとって色とは未知の存在に近かった。
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