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次の休み時間。男友達とこのような話しをした。
「そういやさ、桜宮 咲(サクラミヤ サキ)って知ってるっすか?」
無理に「っすか」を語尾に付ける、野球少年の矢部が問いかけてきた。知らないなと俺は冷たく返した。
「まじっすか……皆知ってるっすよね?」
俺が、知らなかったのが異端だったらしく、皆知っていた。
―――校内No.1美少女
皆が口々にそう言った。現在二年生の彼女が新入生の頃、新入生に美少女が、美少女が、と口伝えに校内に広まり、誰もが認める校内No.1美少女という座に入学からたった一週間で君臨した。そんな女生徒が居るらしい。
この学校でNo.1と言われるという事は、とんでも無く整った顔立ちなのだろう。単純に見てみたいと思った時、矢部とその周りが、いや、クラス中が騒ぎ出した。あれが、桜宮様だ。桜宮様だ。
なんと、噂をすれば、俺が席を置いている教室に桜宮咲が訪れたらしい。
「どれ?」
可愛い子が何人も教室に居る中で、特定するのは実に難しい。
「あれだよあれ。黒髪の美人っすよ!誰か探してるようだけど……」
矢部の目線を追うと、そこには黒髪ストレートの超絶美人が居た。大和撫子の代名詞。誰もを魅了してしまうルックス。
澄んだ、純潔さが分かる目をしている
なにより絶叫系黒髪美人。
うわぁ……魔王だ……
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