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世で言う超常現象のような出来事が起きてから一週間が経過した。あの魔王の姿は、鮮明に覚えている。RPGゲームに出てくるモンスターと酷似しているからだ。あれは現実だった。のに関わらず、なぜここまで冷静で居られるのかが不思議だった。
新一年生は、入学してから一週間という期間である程度のグループが出来上がっている。グループの一つに、属すことの出来た俺だが、綺麗にリア充コースをいく事は出来ず、入りたい部活も、まだ何も決まっていなかった。どうしたものか。何部に入ろうか。運動部も捨てがたいが、軽音楽部なんてものもモテそうだから捨てがたい。
俺は実に単純思考の馬鹿で、入学式とは打って変わって、この高校生活に淡い期待を抱いてしまっていた。教員陣からの取ってつけた期待に答えたい、などではない。“椎名高校の女子生徒、別嬪揃い” 入学前から耳にしていた噂だが、それは想像を逸脱していた。そこらのアイドルと同じかそれ以上の可愛い子が女生徒全体の3分の1を占めている。これは男として、期待をせざる終えない。なので、部活も少しでも目立つものに入らなくては、可愛い子を狙っている大勢の男共に埋もれてしまう。
「おい、如月!さっさと席に着かんか」
気付くと授業が始まっていて、俺は教室で一人突っ立っていた。国語の男性教員が俺を叱る。慌てて席に着き、謝罪の文句を考えた。
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