幼少期―1―

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―――この孤児院には自分と似た過去を持つ子供が沢山いた。 ある者は事故で、ある者は犯罪者に両親の命を奪われた。 皆、普通の人には到底理解し得ない深く暗い心の闇を抱えていた。 そんな僕らを支えてくれたのが院長の優さん。 時には母親のように優しく、僕らを見守ってくれた。 また父親のように厳しく叱り、だけどその背中を追いたくなるようなそんな存在だった。 だから僕は『親』というものがなにかを解った。
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