1.偽り

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部屋に戻って、またドアにもたれ掛るように座った。                           ......何で、こんなにも疲れるんだろう。                                         もっと、素直になれば....こうならないのかな.....                                   出したくもないのに、涙が出る。                                              「ムカつく......」                                         何度目をこすっても、出てくる。                                             俺の感情は今悲しくなんてないのに。                                              不満は、たくさんあるけど.....                                               『涼介ー?大丈夫?』                                  先生の声に一瞬驚いたけど、すぐに返答した。                                    「うん。....大丈夫だから、心配しないで」                                          『そっか。...大丈夫ならいいんだ』                                        先生は、特に部屋に入って俺の様子など見ることもなく去って行った。                         安心したけど、少し寂しかった。
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