侵攻、防衛、時々フラグ。

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「ちょっと待ちなさいよ!」 そのばでは聞こえる筈の無い声。 そもそも魔王が支配する空間に侵入者など前代未聞だ。 「確か・・・駿河咲希・・・だよな?」 元闇帝と言う力を活かし独自に動いていた駿河咲希。 咲希は空間魔法の使用を感じ取り魔王城に急行したのだった。 空間魔法に干渉できたのはアスモが不安定だからではないのだろうか? そうでもなければ元闇帝とは言え干渉できる筈が無いのだ。 「えぇ。あんたなら封印しなくてもこいつを倒せるはず。なのに何でわざわざみんなを悲しませるの!?」 咲希が言うように封印魔法には人柱が必要になる。 黒夜は自らを犠牲にしようとしてるのだ。 「確かに倒すことは出来る筈だ。だが恐らく魔王は何時か復活するだろう。俺が封印すれば復活することは無い」 「でも!」 「どうせ1回死んでんだから変わんねぇよ。お前入れたんなら出れるよな?」 黒夜はいまだ羅刹真也にしか打ち明けていないことをさらっと言ってしまった。 さすがにこれには咲希も食いつく。 「1回死んでるってどう・・・」 しかし黒夜はこれを言わせず、殺気を込めて再び言った。 「駿河咲希、出れるよな?」 「う、うん・・・」 黒夜の殺気に気圧された咲希は素直にうなずいた。 「じゃこの場であったことは忘れてくれ。お前は何も知らないんだ」 「でもそれじゃああんたは・・・」 「存在は消えたとしても思い出は残るんだぜ?じゃあな」 名言を残し黒夜は魔法を放つ。 「《終わらない夜─エンドレスナイト─》!!」 あたりは眩い光に包まれた。
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