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「・・・・ハク・・・・」
「・・・・・・・・・・っ!?」
何かが俺の頬に優しく触れた
貴族smileの指だ
「何・・・する・・・・・・・・あ」
貴族smileの指が濡れている
俺は知らないうちに泣いていたらしい
「・・・あ・・・・・悪い・・・なんでも、ないから」
ごしごしと目を擦る
「ああっ、駄目だろ?そんな乱暴にしたら・・・・・ほら」
貴族smileが俺の腕を掴み、代わりに柔らかいハンカチを当ててくれる
「あ、ありがとう・・・クラネディアさん」
(ハンカチからいい匂いがする・・・落ち着く匂いだな)
「どういたしまして、さて・・・もう落ち着いたかな?」
ニッコリとして俺の顔を覗きこんでくる
「う、うん・・・もう、大丈夫」
「ハク、その本は君にあげる、好きなだけ読むといい」
そう言うと、貴族smileは俺から離れていき
何かを探し始めた
「そんな!貰えない!これはクラネディアさんの祖父の本だろ!?」
俺は慌て本を本棚に返そうとした
「いいから!貰えるもんは貰えるときに貰っとくんだ!
それに祖父だって
読みもされずに返されたらハクのこと呪うかも」
しかし貴族smileは探し物をしながら俺を脅してきた
「の、呪い・・・・」
俺は過去、呪いでひどい目に会ったから
貴族smileの脅しは効果絶大だった
「そ、だからしっかり読んで、大切に保管していてくれないかい?」
「・・・分かった・・・」
俺は本をぎゅっと抱きしめた
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