34人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・・が・・・・!」
「ん?」
「誰が、仔猫ちゃんだ!コノヤロー――!!!」
そう叫ぶと男に飛び蹴りをお見舞いしてやる
「おっ・・・っと・・・」
しかしあっさり避けられ、あろうことか男の腕のなかにすっぽりと収まっていた
「なっ・・・!は、離せっ!」
ジタバタと暴れるが、男の力は以外と強く、びくともしない
「はいはい、静かにね?静かにしないと、mouth to mouth しちゃうよ?」
男は悪戯っぽい笑みをうかべると
自分の唇に人指し指を当て、その指をそのまま、俺の唇に押し当てた
「んっ・・・・・」
こいつの言っていることはよく分からなかったが、取り合えず別な意味で危ないと言うのは分かった
なので、ここは素直にこくこくと頷いておく
「いい子だ、仔猫ちゃん」
指を離し、俺に微笑みかける
一方俺はムッツリ顔
理由は直ぐに分かる
「どうしたんだい?"仔猫ちゃん"」
これだ、この仔猫ちゃん呼び
「なんだ!それは!その呼び方は!」
「え?仔猫ちゃん・・・嫌だった?」
キョトンとした顔で見つめてくる
「あ、当たり前だ!仔猫ちゃんなんて、女に向かって言う言葉だろ!?」
俺は腕のなかから男を睨み付けた
「いや、別に?」
更にキョトン
「え?あ、そうなのか?」
(あれ?街の奴等は違うのか?)
俺もキョトン
「だって、可愛いに男も女もないだろう?」
ニコニコ
「は?可愛い?」
何言ってんだこいつ?
「おいっ!貴族smile!テメェなに――――――」
「そー言えば、まだ自己紹介していなかったな」
俺の発言は貴族smileに見事に無視された
最初のコメントを投稿しよう!