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部屋に入ると、まず本の多さに圧倒された
「・・・・貴族smile、この本は・・・?」
俺はこの部屋に入って一番気になった本を指差した
「・・・え?貴族・・・smile?それは、私の事かな・・・・・?」
貴族smileはポカンとしているが
貴族smileは貴族smileだ
なにか間違っているだろうか?
「お互いに自己紹介はしたはずなんだけど・・・」
貴族smileは困った様な顔をした
「ああ、したな、自己紹介・・・・だから何?」
俺は早く本のことを聞きたくて、少し苛ついているような話し方になってしまった
「私の事は、ちゃんと名前で呼んでくれないかな?君ならファーストネームで呼んでくれて構わないから」
(仕方ないな)
「・・・・クラネディア・・さん」
俺がそう呼ぶと、貴族smileは少し・・・・いや、かなり残念そうな顔をした
「うん、まあ、いいんだけどね・・・・でも、なんと言うか、さ・・・・?」
心なしか涙目だ
そんなにファーストネームで呼ばれたかったのか
「そんなことより、この本」
俺は貴族smileを気にせずに、今度はその本を取り出して差し出した
「・・・・ん?その本は・・・」
貴族smileが本の表紙に指を滑らせる
「懐かしいな・・・・これはね、私の祖父の自伝で、自分と親友の冒険の事を書いてあるんだ、よく祖父が話してくれたよ」
俺は貴族smileの言った事に驚いた
「親友・・・・?クラネディアさんの祖父は、人狼と親友だったのか?」
「そうだけど・・・なんで分かるんだい?読んだことがあったのかな?」
貴族smileが凄く不思議そうだ
だが、そんなの簡単なことだ、それはこの本の題名を見れば分かる
「ヨグナ・・・・この名前は俺の父さんの名前だから」
そう言って俺は、貴族smileの祖父の隣に書かれた名前をゆっくりと指でなぞる
ヨグナ・セクリト
「父さん・・・・」
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