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side 佐久間 光
あー、なんなんだろうなぁ。
ものすっごくイライラする。
月夜が誰かに触れる
月夜が誰かと話す
月夜が誰かと何かをするたびに
僕はどす黒いなにかに包まれるんだ。
……それが嫉妬ってことには気づいている。
きっかけなんかなかった。
話した瞬間に思ったんだ。
――あ、僕この人のこと好きになる。
理由なんてない。なにかを感じた。
ただ、なにか理由をあげるとしたら……。
それは月夜が綺麗だから。
そりゃぁ見た目も綺麗だよ。でもそれ以上に心が綺麗なんだ。
僕が男を好きと言っても変わらず接してくれた月夜が。
男同士のアレやコレを見て叫ぶ月夜が。
真面目に授業を受ける月夜が。
僕は思った以上に好きになってしまったらしい。
知り合ってからの日にちなんて関係ないよ。
好きになったらもう、とめられないもん。
一分、一秒たつたび好きは大きくなっていく。
手をつかんでるだけなのにこんなに顔があついんだ。
だから食堂につくまでは。
月夜の温度を感じてたいんだ。
side end
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