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side 松川 翔
月夜が絆創膏を持ってくるために部屋に戻る。
……本当いいやつ。そして最高の腐要員ですね!!!
チラリ、とさっき切った指を見てみる。
……ちょっと深いな、傷。
わざと切ったのに絆創膏持ってこさせるとか悪いことしたなぁ。
血が流れる左手をじーっと見つめる。
……そして、舐める。
「……ん、は」
丁寧に、隅々まで舐める。
朝にもやったのに。これだから傷つくるのは止められないよね。
衛生的にどうなのかって?大丈夫大丈夫、ちゃんともっかい手洗ってから料理作ってるから。
「っ……ん」
興奮してきた。……自然と片手が下に伸びていく。
――その時、ガチャリと音がした。
急いで舐めるのをやめ、下にのびていた手を元の位置に戻し、蛇口をひねって水を勢いよく出す。
まだ、気付いたらだめだよ。月夜。
話せるときがきたら、話すから。
だからまだ、気付かないで。
俺の、黒くて吐き気がするような
この
秘密に。
side end
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