6.王道転校生により。

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side 桜ヶ丘 夜道 俺、桜ヶ丘 夜道(サクラガオカ ヨミチ)は今ものすんごおおおく悩んでいる。 だって!!門めっちゃでけぇの!! 「で、か…………」 何メートル位あるんだ? まぁでも族の総長とかやってたし、こんくらいなら…… 「飛び越えられるけどなっ、と」 助走をつけてひょいっと飛び越えると、パチパチパチと乾いた拍手が聞こえた。 「ははっ、お見事です、桜ヶ丘夜道さん」 「あんただれだ?…………ですか?」 やべ、敬語忘れるとこだった。 「あぁ、私ですか。私は雨宮 雫(アマミヤ シズク)……生徒会副会長を勤めております。以後、お見知りおきを」 にこっと笑う副会長。 ……こいつ。 「よろしくおねがいしま、す」 気持ち悪い笑顔してんな、って思った。 でもさ、そういうのって気にしてたりするだろ?気付かれたくなかったりするだろ? だから、 「その、副会長さん。笑顔は大切だと思いますけど……あの、あんまり無理しないでください、です」 オブラートに包んで伝えてみた。 ……伝わっただろうか。 「……!私の笑顔に気づいた、んですか?…………気に入りました、桜ヶ丘さん……いや夜道!」 ぎゅうううっと抱き締めてくる副会長。 「わ、ちょ、やめてくだ……さ……い……っ」 うわああああ!!! 人に抱き締められるのって苦手なんだよっ……! ……相手の温度、心臓の音、いろんなものがダイレクトに伝わってきてむず痒い気分になる。
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