6.王道転校生により。

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「あ、のっ、離してくださ……」 「かわいい!!」 副会長はより強く抱き締めてきた。 ……これは、おじさんに怒られるな……。 ――俺には、三つの秘密がある。 一つは、さっきも言ったように族の総長をやっていたこと。もうやめたけどな。 二つ目は、俺のおじさんがこの花ヶ丘星流学園の理事長をやっていること。 おじさんっていうよりお兄ちゃんって感じだよなぁ、あの人。 その事がバレたら色々と危ないらしいので、名字を少しいじっている。 何が危ないんだろうか。 そして三つ目は…… 少しだけ、変装していること。 目が隠れるくらいまで長い髪(カツラ)に、デザインはかっこいいがどこかガリ勉っぽいメガネ(だて)……。 母さんが「普通の王道とは一味違う王道にするのよ!萌ゆる!!」とか言っていたけど。よくわかんね。 とりあえず、これが俺の秘密だ。 この学校でやっていくために、全部がバレないようにしなくてはならない。 今だって正直この副会長ぶっとばしたい。 でもそんなことしたら副会長可哀想だし……。 下手したら総長だったってことバレるかもだし。 「ハァハァ……いいにおい……夜道……」 「……!?」 ……ごめんなさい……。 ぶっとばしちゃいました。
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