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「だってよみちは見た目もかわいいし、頭もいいし、強いし、人の気持ちがわかるいい子じゃんっ……」
「…………いい子、じゃねーよ」
昔のことを思い出す。
――崩壊した学園、
―――殺気のこもった視線、
――――いなくなる、人々。
もうあんな思いはしたくない。
だから変わろうと思ったんだ。
「……うん、よみちの気持ちはわかってるよ。あ、はいこれ寮の鍵。よみちは800号室ね」
「ありがと、おじさん」
そうおじさんに言うと、コンコン、とノックする音がした。
慌てておじさんと離れる。
「失礼します」
入ってきたのは白いスーツに黒いシャツのホストみたいな人。
……え、ホストがなんでこの学園に。
「あ、そこにいる生徒が転入生の桜ヶ丘夜道だ」
「……はぁ。なんかもっさりしてますね」
バキッ
おじさんが近くにあったボールペンを折った。怖い。
「と、とても個性的な生徒ですね」
「ああ。お前のクラスに入るからよろしく頼むぞ」
「あ、はい」
ん?
クラスに、入る?
「あー……桜ヶ丘?お前のクラス……1-S担任の夏海凪だ。よろしくな」
先生だったのかよ!!!!
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