6.王道転校生により。

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「だってよみちは見た目もかわいいし、頭もいいし、強いし、人の気持ちがわかるいい子じゃんっ……」 「…………いい子、じゃねーよ」 昔のことを思い出す。 ――崩壊した学園、 ―――殺気のこもった視線、 ――――いなくなる、人々。 もうあんな思いはしたくない。 だから変わろうと思ったんだ。 「……うん、よみちの気持ちはわかってるよ。あ、はいこれ寮の鍵。よみちは800号室ね」 「ありがと、おじさん」 そうおじさんに言うと、コンコン、とノックする音がした。 慌てておじさんと離れる。 「失礼します」 入ってきたのは白いスーツに黒いシャツのホストみたいな人。 ……え、ホストがなんでこの学園に。 「あ、そこにいる生徒が転入生の桜ヶ丘夜道だ」 「……はぁ。なんかもっさりしてますね」 バキッ おじさんが近くにあったボールペンを折った。怖い。 「と、とても個性的な生徒ですね」 「ああ。お前のクラスに入るからよろしく頼むぞ」 「あ、はい」 ん? クラスに、入る? 「あー……桜ヶ丘?お前のクラス……1-S担任の夏海凪だ。よろしくな」 先生だったのかよ!!!!
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