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「えーと、夏海先生。なんで先生そんなホストみたいなんですか」
クラスに向かっている途中、気になっていたことを訪ねる。
「ん?……すげー直球だな」
「……ぁ、いや、話したくないならいい、です」
俺は人に嫌われるのが怖い。
誰だってそうだと思うけど、俺は人の倍、怖いんだ。
だからなんだか探るような言葉になってしまう。
「話したくないなんてことはないけどさ」
ポリポリと頭をかく先生。
「まぁ、教師になる前はホストやってただけだよ。その名残っつーかなんつーか」
「……はぁ、そうなんですか」
やっぱホストやってたんだ……。
なんで転職したんだろ……。
「ははっ、お前、顔になんで転職したんだって書いてあんぞ」
「え」
ペタペタと顔をさわる。
「……プッ、はははっ!お前、気に入った。面白い」
「は?」
なんかいきなり笑われた。
しかも気に入られた。
「俺が転職したのはな、お前みたいな生徒に出会いたかったからだよ、夜道」
……名前呼びされた。
「俺みたいな生徒って……」
「もっさりしてんのにはっきりしてるような……じゃなくて、芯が強いっつーかな」
「……はぁ」
「つか夜道、お前その髪どうにかしろよ。前髪あげるとかさー」
先生が俺の前髪をあげる。
……そして、おろす。
「あーっと…………えっと……お前、ずっとそのままでいろよ。絶対前髪あげたりすんなよ」
さっきといってることが真逆じゃねーか。
……ん?
よく見ると、先生の耳が真っ赤だ。
つられて、俺も顔が熱くなってしまう。
そこからはどちらも無言。
「……ついたぞ」
「あ、はい」
そうこうしているうちに、クラスについたようだ。
……あのときの二の舞にはしない。
俺は、変わるために来たんだ。
side end
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