686人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
入ってきたのは、もっさりした髪にガリ勉みたいな眼鏡。
髪と眼鏡のせいで顔がよく見えない。
背は光と同じくらいかそれよりちょい大きいかって感じで、ひょろっとしている。
「……桜ヶ丘、夜道です!」
うわ、声かわい。声変わりはしてるんだろうけど、高めで透き通った声。
「……え、と。転入の時期は中途半端だし、正直緊張、してます。迷惑かけちゃうかもしれませんがよろしくおねがいしますっ!」
……。
…………。
か わ い い!!!!
小動物だ!小動物がいる!ちょっともっさりしてるけどかわいい!
みんなも同じことを思ったのか、「よろしく!」「かわいー!」「仲良くしよー!」などの声が聞こえる。
転校生くん……桜ヶ丘くんはホッとしたのかにこりと笑っている。……口許しかはっきりと見えないけど。
「んー、夜道の席は松川の後ろだ。みんな仲良くしてやれよー」
……なんで夏海先生桜ヶ丘くんのこと呼び捨てなんだろ。
ぱちぱちぱち、と拍手がなったあと、桜ヶ丘くんはとてとてと恥ずかしそうに翔の後ろの席へと向かった。
その様子を少し観察してみる。
最初のコメントを投稿しよう!