7.その傷により。

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今日の授業をすべて終え。 今は寮の共同部屋で翔と一緒にいる。 「食堂イベント、今日なんでなかったんだろー。生徒会と転校生の絡み、重要なのに」 翔は俺に寄り添うように座りながら愚痴を吐いている。 「生徒会、今日は新歓やらなんやらの準備じゃなかったか?」 そう、もうすぐ……というか二週間後に新入生歓迎会がある。 その準備で、生徒会は忙しい……らしい。 「ちぇーっ」 すりすりと頭を寄せてくる翔。くそ、かわいい。 ……あ、聞きたいことあるんだった。 「なぁ、翔。転校生……桜ヶ丘くんになんか言われた?」 「……?なんで?」 翔は首をかしげて聞く。 「いや……翔、なんか桜ヶ丘くんには本当の笑顔見せてたみたいだったからさ」 そう言うと翔はものすんごい笑顔になり、言った。 「えへへ、気づいた?あのね、俺の偽笑いに気付いたの、夜道!」 え。 にせわらい……?っつーか、翔の嘘の笑顔に? しかもなんか名前呼びしてんだけど。
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