7.その傷により。

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「初対面で気付くなんてすごいよねー!嬉しかったぁ」 にこにこと笑いながら言う翔。 俺だって今はわかるもん。 少し桜ヶ丘くんに嫉妬していると、翔はちらりと俺を見て言った。 「……でも、わかってくれるのは月夜だけでもよかったんだよ?月夜のこと、俺だいすきだもん」 !? おい聞いたか。 だいすきだって!!かわいい!!! ……俺もなんか感覚狂ってきたんだろうか。 「切りたくなったら月夜に言っていい、それだけで俺すごく助かったもん!」 手首の傷を見る翔。 「だからね、もう隠すのやめる。月夜に話す。このこと」 え? このこと……って、あの時のあれか? ついこないだまだ話せない、っていってたのに。 無理してるんじゃないのか? そんな俺の表情を見て、翔が笑った。 「あのね、無理とかしてないよ。月夜に知ってもらいたいなって思ったから話すんだよ。前に話せないって言ったけど……落ち着いて考えてみたらね、やっぱり知ってほしいと思った」 そして翔はぺろりと傷をなめた。 「それに、俺がどうしてあのとき血を舐めたのか、とか。普通に気になるでしょ、月夜も」 そしてきゅっと俺に抱きつく。 「だから、聞いてもらってもいい?」 ……。 「……うん」 それしか言えなかった。
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