7.その傷により。

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いじめのきっかけだって、些細なことだった。 俺は昔から人と話すのが苦手で、自分から友達なんて作れたためしがなかった。 小学校のとき一緒だった子とは違う学校に行ったため、俺は中学でひとりぼっちだった。 そんなときだった。 俺はクラスでも大きな権力をもつ男子に声をかけられた。 「な、お前さ。なんかしゃべれよ」 「……え……と……」 そんな俺を見て、彼は笑った。 「俺は中田 大輔。大輔って呼べよな」 「う、うんっ……よろ、しく。大輔」 俺と大輔は友達になった。 大輔はただ単に興味があったから話しかけただけなんだろうけど、俺には大きな救いだった。 大輔と友達になったことで、俺にはたくさんの友達ができた。 その頃は毎日楽しくて、毎日遊び呆けていた。 そんなある日だった、事件が起こったのは。
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