7.その傷により。

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もちろん、俺が悪かったと思っている。 あそこで素直に弁償する、といっておけば。 素直にもっと謝っておけば。 こんなことにはならなかった。 それからは毎日苦痛だった。 殴られ、蹴られ。 学校にいけばたくさんの仕打ちが待っていた。 死んでしまえれば楽なのに、と毎日手首を傷つけた。 でも、傷はどれも浅くて死ねなかった。 そして、ある時。 いつものように俺は殴られていた。 そんな俺を見て大輔は嘲笑っていた。 ……そしてふと、笑顔が消えた。 「翔、そ、れ」 大輔の視線は俺の手首にあった。 いつもはリストバンドをして隠していたけれど、その日はそのリストバンドをどこかになくしてしまい、なにもつけずに来ていた。 「お前、手首……切ってんのかよ……し、死にたくて切ってんの、かよ」 なにも言えずに目を伏せる。 「お前ら……行くぞ」 大輔は、俺を殴ったりしていた連中を引き連れて、その場から去っていった。 ……その日から、パッタリといじめは消えた。
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