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「……俺のこと、嫌になった?」
翔はポツリと呟いた。
「いじめられてた、とか。俺が気持ち悪い、とか。そうなったら言ってね……?俺、離れる、から」
翔の声は震えている。
すごくすごく、勇気を出してくれたんだろう。
翔をぎゅっと強く抱き締める。
「嫌にとか、なるわけねぇだろ。なるんだったら始めっから友達になんかなってねーよ」
ぴくり、と翔の肩が小さく震える。
「話してくれて、ありがとう」
そういうと、翔の目にどんどん涙が溜まっていき。
次々と涙がこぼれていった。
「ぅっ……月夜ぁ……ありがとう……話してよかったぁ……。ありがとう……だいすきぃ……!」
「……ん」
翔の頭を撫でるとさらに涙がこぼれていって。
「ありがとう、月夜……ありがとう……」
何度も何度もありがとうといって、そのまま翔は眠ってしまった。
……ちょ、俺ら抱き合ったままなんだけど。
まぁ今日は許すけどさ。
いつも翔がへらへら笑ってるのにはこんな理由があったのか。
翔、頑張ったね。
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