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「え、と……こうずれば!!わかるかな?づっぎー……げほぁっ」
咳をしながらメガネとマスクを外す謎の人物……って、こいつ!
「………………………………誰?」
やっぱわかんね。なんか見たことあるイケメンだけど思い出せないし。
「うわ……ひどいよづっぎー……げほっ、俺、三田奏だよ……生徒会会計の……ごふっ」
あああ!!なんかいたなそんなの!
奏様(笑)だ、奏様(笑)。
「……三田、先輩?なんすか。俺に用ですか」
抱きつかれてて天丼食えねぇんだよ気付けや奏様(笑)。
「あ、え、と……。よ、用ってほどじゃないんだけど……げほっ、づっぎー見えたから……話したいな、って」
顔を赤らめて言う三田先輩。
……ん?なんかかわいいぞ。
「三田先輩。さっきから咳してますけど。風邪ですか?」
そういうと、目を泳がせて小さく頷いた。
「新歓の……げほっ、準備してだら……体調崩しちゃって……」
すんげー鼻声。大丈夫か?
「……熱はないんですか」
ぴとっと三田先輩のでこに手をくっつける。
……うわ、あつ。絶対熱あるじゃん。
三田先輩をちらっと見ると、さっきより赤い顔になっていて。
「う、え、ちょ、つ、づっぎー……あの、えと、あの……」
かああ……とどんどん赤くなる先輩。
……無自覚なわけじゃないけどさ、これって風邪なの?照れてるの?
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