天才が当たり前の世界で

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「………はぁ」 カガリ=オウギは周りバレないように小さくため息を溢した。 (ご主人、幸せが逃げますよ?) これがため息を溢せずにいられるかよ。 春休みを充分に満喫してあいつらとも会わないでよかったっていうのに。 残酷にも“アイリス学園”の入学式が始まってしまう。 (私は楽しみです。何てたって使い魔契約でようやく体が実体化するのですから) “自称”剣の意志というセツナは旅に出ている親父がくれた刀だ。 どういう原理か知らないが今も俺の頭に直接話しかけてくる。 (分からないぞ?使い魔契約でセツナが出るとは限らないからな) 使い魔契約は無意識でその人に合った使い魔が出てくるもので正直なところ出てくる使い魔は生まれた時から決まっているらしい。 これは確証はないがそれだけ使い魔契約ってのは運命的な要素が強い。 (フッ、世迷い言を) まさか刀に馬鹿にされるとはな。
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