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「Sクラスの人でさえ巨人槍を防げないって言うのにどういうことよ?」
「それは自分で考えな」
いつの間にか元の大きさに戻った刀を持ちサヤカの懐へと潜り込む。
「“雷針"!」
雷の魔力を纏った刀で突きを打ち込む。
が、それもサヤカの魔法により防がれてしまう。
「ふふっ、相性最悪ね」
「まったくだ」
防がれるだけで魔法が消えるとか意味が分からん。
「このままだと防戦一方になるわよ?」
考えろ。人間が創った魔法に穴が無い訳がない。
魔力切れを狙うか?いや、その前に俺の魔力が尽きる。
尽きる?
試してみる価値はありそうだな。
俺はポケットからコインを2枚取り出すとそれを左右の指の上にそれぞれ乗せる。
(ご主人!?2枚でいくらか知っているのですか!!)
(………1000Gだろ?)
セツナの言いたいことは分かる。
すでに500Gを失っているから合わせたら1500G。
頑張れば俺等の一食分だ。
(早まらないでください!私が、私が全力を出しますから!!)
(………ダメだ。これは俺の戦いなんだ)
果たしてセツナの力ばかり借りて手に入れた勝利で喜べるのか?いや、喜べる筈がない。
今もセツナと話す間にもコインに雷属性の魔力は付加されて来ている。
俺の作戦はこうだ。
俺が持てる最大火力の魔法“雷震判"でサヤカの防御を崩し、一瞬生まれるであろう隙をつく。
サヤカオリジナルに隙が出来るかどうかすら分からないがやるだけの価値はある。
俺の500G達よ。尽きてくれるなよ。
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