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「ふーん、そんなこと思っていたんだーーーー
ーーーーなら昔の私と同じね」
昔のサヤカと同じ?
「昔は私がカガリを羨ましいと思った。ということは攻守逆転ね」
「お前何かと同じにするな!!」
国に、ギルドに、家族にさえ見捨てられた俺の気持ちの何が分かるっていうんだ。
「最初は持て囃していた人間も俺の成長が見えなくなるとすぐに邪険扱いだ」
俺は見え返したいとは思わない。
ただ、
自分の成長が終わったとは思いたくないんだ。
「少しはカガリの本音が聞けたってことかな?」
「だね」
サヤカもヒビキも嬉しそうな顔するなよ。
「けど、今の私には関係ないわよ」
「分かっている」
そうだ。お前等はそれでいいんだ。
それだからこそ倒したいと思うし、倒しがいがあるってものだ。
「わ……私も…いるぞ」
弱りきった声の主はミズホで頭に血を流し、足元が覚束ないながらも未だに力強い視線は変わらない。
「………まだ倒れてなかったの?」
ヒビキはミズホのタフネスぶりよりもむしろ学園から渡されているペンダントが作動しないことに驚いている。
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