終戦

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ーーーーーーカガリside 「………ここは?」 白い天井に薬品の臭いが充満する部屋。 そして見知った顔が多くいることから推測すると保健室か。 「負けたのか」 サヤカに魔武器も使わせることも叶わずに呆気なくやられたんだな。 「…………強かったな」 完敗だった。 技のバリエーション、発動までの時間、精度1つ取ってもサヤカに勝てたところは何もなかった。 「そうだな」 「ーーーーうおっ!?」 不意に言葉を投げかけた相手の方に目を向ける。 「ーーーミズホか。やけにボロボロだな」 身体の至る箇所で包帯を巻いており、顔にもガーゼと包帯がされてある。 正直声以外で本人と判断出来るものは無い。 「………チッ」 「おいおい、いきなり舌打ちはないだろ?」 ガラスのハート舐めんなよ? 「文字通りボコボコだ。クソ、サヤカの奴め邪魔しやがって」 「ハッハッ、あいつのスティール・メイデンは硬かっただろ?」 「硬いどころじゃない。私の紋章拳を破るだけでなく、同時に骨まで折りやがって」 ………直接殴ったのかよ。 「悔しいな」 「まったくだ」 「次は勝てると思うか?」 「勝てるか?じゃなく勝つんだ」 「うん、俺もだ」 次は負けない。 いや、俺の心が負けを認めていないなら負けではない。 何度だって挑戦してやるさ。
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