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その後、高口は香奈にチョコを返したというのを、僕は両方から聞かされた。
香奈と付き合う気のない高口と、高口にフラれても諦めない香奈の板挟みに僕はなったのだ。
それからというもの、
事ある毎に2人は僕に相談してくる。
「好きなのに、振り向いてくれないのはどうして?」
と、香奈。
一方、高口は
「何度も断ってるのに、何で諦めてくれないのか聞いてきてくれないか?」
…知らないよ。
その質問は、それこそ当人同士で話し合えばいいじゃないかと提案しても
「「だって、向こうは気持ちを分かってくれない!」」
の一点張りで、どちらも意地になっている様子だった。
僕は、とても疲れた。
モヤモヤしたり嫌な気持ちになったりで心の中は受験のプレッシャーもあって忙しかった。
だって、香奈の話を真剣に聞いていると
どれだけ香奈が高口を好きでフラレてもあきらめられないのかっていうのに共感する。
だけど、いざ高口を説得しようと真剣に話し合おうとすると、
高口は部活と受験のプレッシャーでそれどころじゃないと悩みを打ちあけられて相談にのっているうちに僕自身が納得してしまう。
…その、繰り返し。
、
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