いつか羽根が

1 少年

少年は、私を見るとニッと白い歯を見せて笑いかけました。

少年は夕日に背を向けて立っていたのですが、私は、いろいろなことで頭がくらくらしていたせいか、風に吹かれてバタバタしているその子のシャツが羽根のように、まるで白い鳩か何かの羽根のように見えた気がして、思わず目をこすりました。