5419人が本棚に入れています
本棚に追加
それは…仕事中だもの、当然のことで。
瑛人君のことを考えてたのだって、今朝仕事で絡んだからのことであって。
そんな風に、心の中で言い訳じみた思考を巡らせる時点で。
もう私は、認めているようなものだ。
私の中では未だに、ほんの些細な出来事一つで、瑛人くんへの気持ちが首をもたげて出てくるのだ。
――― うっかりなとこは、相変らず
――― 恵美は、ほんと俺よりしっかりしてる
全然、しっかりなんて、していない。
口ばっかりで、心の中はこんなに狡い。
それきり返信のない携帯を見つめながら。
表面上、私達は仲直りはしたもの。
この日を境に少しずつスレ違い始めた。
それは、当然なのかもしれない。
『蜜月』 end.
最初のコメントを投稿しよう!