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梅雨明けを思わせる、快晴。
日傘を持ってきて正解で、外気は既に真夏の暑さだった。
今日はみさと職場で待ち合わせて、買い物に行く約束がある。
これから8月中旬頃までは御中元や帰省みやげなどでデパ地下は忙しい。
9月までは、仕事に忙殺される毎日になる。
今日を最後に、夏の終わりまでは遊ぶ暇などなくなるだろう。
少し早めに待ち合わせ場所に着いて、携帯を気にしながらタイルの壁に凭れた。
気にした名前は、もう3日ほど着信表示で見ていない。
たかが、3日だ、たいしたことじゃない。
仕事が忙しいのなら、それで良いことだし。
そちらを優先にしなきゃだめ、と私が主張したことだ。
「……はー…」
それでも、溜息が出る。
表面上、あの時の喧嘩は仲直りしたものの。
あの日から3か月、急速に、私達はぎこちなくなった。
恐らく私の言ったことを気にしたのか、翔吾君は前ほど会いたいと言わなくなり、私も自分の言葉に縛られる結果になったのだ。
それでもお互い夜に待ち合わせて食事をしたこともある。
だが、次の予定を彼も尋ねないし…それとなく私のシフトを伝えても流されてしまう。
私の言い方が悪かったのだ。
自覚はある。
だから…喧嘩から一週間ほどした時だ。
会社の前で、彼を待った。
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