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あの合コンから、美里ともゆっくり遊ぶ余裕もなく年が明けて、もうじきバレンタイン商戦に入る頃だった。
久々に昼休憩でみさと時間が重なって、社食で並んで食べていた時。
バイブレーションにしてあるが、美里の携帯が随分長い間鳴っていることに気がついた。
「美里、電話鳴ってるよ」
「うん」
彼女は、ちらっと携帯に目を向けただけで、後でかけなおすからいいよ、とそのまま食事を続ける。
けれど、一度きれてはまた鳴り出す携帯が私は気になって、彼女と携帯を交互に見比べていた。
そんな私に苦笑して
「大丈夫、母親だから。寂しがりでしょっちゅうかけてくるのよね」
そう説明してくれた。
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