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「ま、カステラ云々より、見た目とのギャップってことでしょ?見た目はこんなに、ふわふわして可愛らしくて、何より美人。守ってあげなきゃって思ってたのに、言うことは言うし仕事もバリバリ頑張る方で。あれれ?って」
「自分の好きな格好してるだけだもの。それが性格と一致してないとそんなにダメ?」
髪色は百貨店で許されるギリギリまで茶色に染めて、ふわふわとゆるいウェーブをかけて、服装もレースやシフォンが好き。
そのスタイルが好きだし、一番自分に似合うって思う。
だけど、性格までそこで想像されたらちょっと困る。
「顔立ちも優しそうで、儚げで。どうしても外見で判断されがちなんじゃない?あと、煙草もミスマッチ」
「それはひかれるのわかってたから内緒にしてた」
軽く肩を竦めた。彼が、可愛らしい女の子を求めてたことくらい私もわかっていた。
だから、これだけは隠していたのだけど。
「あ、気は遣ってたんだ」
「人前で吸うの恥ずかしいしね」
気にしすぎだよ、とクスクス笑う彼女は煙草は吸わない。
私は、制服に匂いがつくのもいやなので、職場ではまず吸わないし、大抵が家で寛いでいる時だ。
「次はさ、目の前で煙草吸っても引かない人を選んだら」
美里の言葉は、単純だけど正解かも、と思った。
自分の中身を見てくれる人を探すなら。
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