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「大体、男の方も許容範囲狭い。私なら絶対そのギャップに惚れるのに。時間厳守とか厳しく躾てくれるから、逆に甘えたくなる」
テーブルに頬杖を付きながら、くすくすと笑い声を零す。
「今度から待ち合わせに遅れた方が御飯奢るんだからね」
美里は、先日二人一緒に休みが取れた日、ランチに行く約束をしていたのに寝坊して1時間も遅れた。その時のことを言ってるのだろう。
「ごめんてば!もう2度と遅れません!なんか、同い年なのに恵美の方が年上みたい」
「百貨店では美里の方が先輩だけどね」
彼女は短大卒で就職してからずっとこの百貨店らしくて、もう3年になる。
私は1年前に他支店から異動してきた。
それまではショッピングモールの支店で割と緩い接客教育だったのが、一変して百貨店での教育になり、その細かさに辟易していた時だった。
店舗が隣で、心安く話しかけてきてくれて。
教えてくれたのが、大事なところじゃなくて手を抜いてもバレないところっていうのが美里らしい。
思い出して含み笑いをしていたら。
彼女が申し訳なさそうに、口火を切った。
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