†夢見がち†

7/16
前へ
/348ページ
次へ
「美里、普通にしてたらモテるんだから。そういうのやめたらいいのに」 「いいのいいの、私はこういうのが向いてるの。真面目なお付き合いって向いてないのよ」 ずずっと、手に持っていたパックのレモンティを飲み干した彼女は、壁の時計を見上げながら立ち上がる。 「詳しい日時はメールするね。だからお願い!私もう店戻るわ」 もう一度上から拝まれて、私は苦笑を浮かべて頷いた。 私は…あと15分くらいかな。 美里がいなくなって、私は少し、右斜め前を見る。 休憩室内、置けるだけのテーブルと椅子が乱雑に並んでる。 私の居るテーブルのもう一つ向こうに座る男性を、バレない程度に、チラ見。 彼は、腕を組んで俯いて、少し眠っているみたいだった。 あ。パックのコーヒー、おんなじだ。 自分の手元のコーヒーを、ずずっと一口飲んだ。 くだらないけど、少し嬉しくて。 ふふ、と笑みが溢れた。 私の勤める店の、通路をはさんで向い側。 大手の人気メーカーで割と大きなスペースをもらってる店舗の男性スタッフ。 最近ずっと気になってる人がいる。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5421人が本棚に入れています
本棚に追加