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「独り暮らしもいいけど、出来れば寮付きの高校に転向してほしいわ」
困ったように笑いながら母さんはそう言った。
「寮…か」
そう言われて少し考える。
思い出したのは、すでに学校が始まっているという幼馴染の顔。
「ナオ…直生が通ってる所って確か全寮制だったよな?確か…凰呀学園」
「凰呀…?」
母さんはそこで考えこむように目を伏せる。
何か変なことを言ったか?
「確か凰呀学園は秋夜さんが理事長をやっていたところだと思うわ」
「…マジ?」
秋夜(シュウヤ)とは父さんの弟。
父さんとは結構年が離れてて、確か…27歳だったと思う。
かなり見た目が若くて20歳でも通じるんじゃないかと思うほど。
俺は凄く気に入られてるからシュウさんなんて呼んでる。
「ちょうどいいじゃん、そこに行こうよ。手続き頼んでいい?」
そう言うと母さんは微笑みながら頷いて、部屋を出て行った。
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