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天空
彼もそろそろ青二才
正義の味方に成りたくて
隕石を間近で眺める
火星人はボンベを担いで
魔法と超能力が共存
イメージの名前はアームストロング
ニヒリスト気取って時間を描写
地球を飴玉にしたお子様ランチ
ワインが似合うと指が震えて
プロパンガスの後遺症を知る
慌てて時間を遡りメガヘルツ
フラメンコで割る素数は
純情なアインシュタインの得意技
階段下で怯えるホーキンス
アシモフから読み直していた
他人に見られる事を意識した頃
鏡の裏に月が出た
にわか気取りの李太白が投げるコインは
きっとメビウスリングになって裏の裏も裏
そんな筋書をトリミングしたら
バレリーナの爪先に血は滲まない
ジークフリートの枯れ葉の位置をシュリーマンに尋ねよう
赤い屋根が燃えエルモスファイヤーと重なる
たまには騙されたいと東に陽が沈むのを待つも
天使に角が生えているのを見つけて笑い転げる
ロシアンルーレットで楽器を破壊
絵筆を折った支配人は
タイピストが足を組み替えるのを見ていた
全て台本に書かれていても
隠していたい秘密は守る
ほら 夜空は暗い
がっかりしてる暇はない
ロダンにヒゲを描き
ニケにヘソを描く
一筆書きのミロを炙ると
好きな天気を理解した
だから気分はパイナップル
海を渡ろう
空を巡ろう
銀河の川辺で素描したら
捨て台詞が贈られた
脈がばらつき
心臓と過呼吸がシンクロ
素敵な言い訳を見つけたけれど
虹に乗った人には届かない
知らぬ間に小瓶を握っていた
中身は異境の空気
だから栞にも土産にもならなかった
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